1.論文式試験で"何が"求められているかを理解しよう
2018年度合格
大阪大学法科大学院・既修 2017年修了
短答式試験対策が終わった時点で、論文を書くために必要な知識は習得できています。論文式試験では、
短答式試験対策で得た知識、特に判例の結論・理由を、論文の型に流し込むイメージで書いていきます。論文を書くにあたって忘れてはいけないことは、
「答案はあくまでも試験合格のための文書であって法律文書ではない」ということです。つまり、合格点をとれればいいのであって、
法律的な議論を求められているわけではありません。
2.合格点を超える点数を取るためには
私が論文答案において意識したことは、
法律理論の部分は判例通説に愚直に乗り、あてはめ部分で点数を荒稼ぎすることです。判例のおおまかな知識があれば、問題の結論も判例の相場に乗って書くことができます。あてはめにおいても、まずは
多くの受験生が評価する事実を他の受験生と同じように評価して点数を稼ぎ、その後
自分なりに細かい事実も指摘して加点を狙うといった手法です。とにかく司法試験は合格点を超えるように点数を取る試験ですので、上記のように
法理論で守ってあてはめで稼ぎに行くというイメージがいいと思います。
3.あてはめのテクニックを盗むなら…
2016年度合格
立命館大学法科大学院・既修 2014年修了
演習問題を解く際には、あてはめができているかという点について、
単に事実の引用だけになっていないか、
事実の抜出しを正確にできているか
ということを意識しました。
あてはめのテクニックに関しては、判例や合格答案から盗むのが一番です。判例に関しては、TKCの判例検索データベース「LEX/DBインターネット」を利用していました。特に
刑事系に関しては、判例からあてはめの感覚を掴むことを心掛けました。
4.合格者がおすすめしたい、あてはめ中心の本試験答案
2018年度合格
日本大学法科大学院・既修 2017年修了
私は、本試験答案として
「コンパクト答案」をお勧めします。「コンパクト答案」とは、問題に対して
素直、的確に、過不足なく、平易な表現で応答し、結論に関係しない余計なことは書かない答案です。内容にもよりますが、結果的に枚数は、5~5枚半。他説を引いて批判する余裕はないので、これらは書かずに
判例の趣旨に沿って書きます。「コンパクト答案」の長所は、
記述に過不足がなく、あてはめ中心ですっきりしている点、一方短所は、趣旨や解釈、規範定立が薄くなる点です。それでも、
結果的に充分な評価が得られました。
Check
効率的に判例を読み込むなら、判例検索データベースを活用しよう
あてはめのテクニックに関わらず、司法試験の勉強には、"判例"が必要不可欠です。これから本試験当日に向けて、効率的に判例を読み込むなら、判例検索データベースを活用して、判例全文から上下級審関連の判例や引用判例等までしっかり確認していきましょう。
「
法科大学院修了生サポートシステム」では、判例検索データベース「LEX/DBインターネット」をご利用いただけます。
「LEX/DBインターネット」では、全文を確認できるだけでなく、
上下級審関連はもちろん、引用判例や被引用判例相互のリンクも充実しているので、効率的に判例を読み込むことができ、
最新判例の確認はもちろん、
答案を書く際に必要な知識の定着にも役立ちます。
判例検索データベースを上手に活用して、あてはめのテクニック等に必要な知識や感覚を身につけましょう。