近年の司法試験の傾向
2022年度合格
同志社大学法科大学院・既修 2022年修了
来年はどうなるか分かりませんが、少なくとも令和に入ってからデータ上は、短答式試験で
合格者平均点をとり、論文式試験で
全科目「一応の水準」の答案をそろえられれば、合格することができます。そのため、普段の学習では、難しいことばかりをやるのではなく、まずは
他の受験生が当然にできる典型論点を習得することに注力するのがおすすめです。
短答式試験の場合
2020年度合格
中央大学法科大学院・既修 2017年修了
試験は、ご存知の通り
論文式試験と
短答式試験から成ります。そして、
短答式試験の合格点に達しなければ、
論文式試験の評価を得ることができません。
まずは
短答式試験でいかに合格点をクリアするかが大切になります。
短答式試験の問題パターン
2020年度合格
関西学院大学法科大学院・既修 2018年修了
短答式試験の問題は①
論文式試験でも問われる重要問題、②
条文問題、③
その他(論文式試験では問われないが短答式試験では聞かれる判例知識、細かい計算問題)に分かれると思います。
1論文式試験でも問われる重要問題
2020年度合格
関西学院大学法科大学院・既修 2018年修了
論文式試験でも問われる重要問題の対策として、
過去問の1つ1つの肢を理由付きで答えられるまでひたすら解き続けることをおすすめします。
文章化できるくらいになっていると論文式試験対策にもなります。
2条文問題
2020年度合格
関西学院大学法科大学院・既修 2018年修了
条文問題の対策としては、
条文素読をおすすめします。条文を引く癖がつきますし、
過去問に出たことがない問題にも対応できます(特に
民法の改正部分と
憲法の統治分野)。
3その他の問題
2020年度合格
関西学院大学法科大学院・既修 2018年修了
その他(論文式試験では問われないが短答式試験では聞かれる判例知識、細かい計算問題)の対策は、
とにかく過去問を解いて慣れるしかないと思います。中には正答率がかなり低いものがあるので、時間がないときは後回しにしても良いと思いますが、少なくとも
難易度が中レベルまでの問題は解けるようになる必要があるかと思います。
今どのレベルの問題まで解ける TKC主催模試の詳細を確認する
感覚で問題を解いている場合
2020年度合格
同志社大学法科大学院・既修 2019年修了
何回も解いていくと、どうしてもページや位置で〇×の解答を覚えてしまうので、感覚で解いてしまうことにならないように、
理由まできちんと考え丁寧に取り組むことが大切だと思います。私は、特に最初に解く時にはわからない問題は参考書や「
判例百選」(有斐閣)にまでさかのぼり、知識を確認していました。また
間違えた選択肢はチェックし「
判例六法」(有斐閣)に
マーカーで線を引いたり、
書き込んだりしていました。また、似ていてわかりにくい論点などは表を活用したりもしていました。
論文式試験の場合
出題されやすい論点の"分析"
2022年度合格
慶應義塾大学法科大学院・既修 2022年修了
過去出題されていないものはもちろんですが、過去に出題されていても
判例変更があったものや
新しく判例がでているものは出題可能性が高いと考えていました。また、
毎月「法学教室」(有斐閣)で最新の裁判例をチェックし、全く同一のものの出題はなくとも、
関連する箇所については出題可能性が高いと捉えていました。さらに、法科大学院の授業などで
教授が特に触れるような箇所は学者の中ではアツい分野なのだと思い、学者が作問する司法試験においては出題可能性も高いのではないかと思っていました。
完全に一個人の考えと分析でしたが、「全国統一模試」、本試験ともにかなり出題予想が的中していました。過去問検討もそうですが、
試験を知り、分析することは極めて重要です。
試験を知るために必要な"分析"とは
1出題趣旨・採点実感を読む
2022年度合格
東京大学法科大学院・既修 2022年修了
司法試験委員会の出題趣旨・採点実感は、実際の試験では
何が重要視されているか、
試験委員が何を意識して答案を読んでいるか、
どんな書き方を好んでいないかを把握する点においてとても大切だと思います。司法試験では、試験委員が毎年のように指摘する点や繰り返し出題される分野があります。そのため、
きちんと採点者が評価する点を押さえた答案を書くことができるように意識して勉強しました。
2解説、答案例を確認する
2022年度合格
同志社大学法科大学院・既修 2022年修了
過去問演習に入るためには
最低限重要論点についての知識が必要です。そのため、予備校出版の解説・解答例つきの問題集を2周しました。私が問題演習の復習で注意していたことの1つに、
答案例に引用されている事実は問題文のどこに書かれているのか、そして、その事実を
どのように評価しているのかというあてはめの方法を参考にして、予備試験や司法試験の論文式試験対策に役立てました。
過去問解説と答案例が見れる、一石二鳥の演習システム
2022年度合格
中央大学法科大学院・既修 2022年修了
「論文演習セミナー」(TKC)では、
司法試験の過去問の解説と答案例を見ることができます。過去問を解き、出題趣旨、採点実感を読んだ後に、
分からなかった論点を中心に解説を読みました。また、
制限時間内に答案を作成できる目安として、答案例を確認していました。
論文演習セミナーとは 修了生サポートシステムの詳細を見る
3自分が書いた論文への評価を分析する
2020年度合格
中央大学法科大学院・既修 2017年修了
自分が書いた論文が採点者からどのように評価されるかは、模試での評価とは異なることがあります。本試験で
自分が書いた論文がどのような評価を得られるか知ることは、次回の挑戦で合格点に達するために、重要な視点です。
1回以上本試験の受験経験がある場合
2022年度合格
南山大学法科大学院・既修 2019年修了
知識はあるが点を取れず不合格になっている方は、視点を変える必要がある。そのためには、敗因分析を
徹底的にかつ具体的に行うべきだと思う。それも、自分の納得がいくまで自分で敗因を特定する必要がある。「なぜ点を取れなかったのか」を
問題文の事実までさかのぼって具体的に特定することである。例えば、「
論点を外したのは問題文のどの事実を読み落としたからか」「
筋を違えたのは問題文のどの事実を読み間違えたのか」「
勝手に読み替えていなかったか」などの視点で分析し、単に「論点落とし」という敗因分析で済まさないことである。
まとめ
2022年度合格
明治大学法科大学院・既修 2022年修了
司法試験は、
合格するにはどうしたらよいのかといった意識をもった学習を常に行えば、必ず受かる試験だと思いますが、人それぞれ実力が発揮できるようになる時期も異なるため、
焦らず自分のペースで学習していくことをおすすめします。
「
TKC法科大学院修了生サポートシステム」では、判例全文まで確認できる判例検索データベース「
LEX/DBインターネット」と組み合わせて使用することで更に効果を発揮します。最新の判例を確認した出題予測の分析だけでなく、
上下級審関連や引用判例、被引用判例も確認しながら理解を深めることで、
答案を書く際に必要な知識も定着していきましょう
【短答】"繰り返す"からこそ意味がある
過去問&模試の"繰り返し"学習のコツ