短答式試験の試験科目
司法試験の短答式試験は、各科目によって問題数や配点、出題形式が異なります。そのため各科目の傾向を把握するためにも、「
過去問題から始める」受験生の皆さんも多いのではないでしょうか。まず、各科目の問題数や試験時間等を確認しておきましょう。
【司法試験の短答式試験】
試験科目 |
問題数(配点) |
試験時間 |
憲法 |
20問程度(50点満点) |
50分 |
民法 |
36問程度(75点満点) |
75分 |
刑法 |
20問程度(50点満点) |
50分 |
「過去問題から始める」のは、正解か
2020年度合格
上智大学法科大学院・既修 2018年修了
あくまでも私の感想ですが、短答式試験対策として
いきなり過去問を解くのは効率が悪いと思います。たしかに、短答式試験において
過去問は何よりも重要です。しかし、それは
ある程度論文式試験の勉強が進んでいて各科目の体系的理解ができていることが前提だと思います。体系的理解が出来ていれば、選択肢を間違えても「
この問題はあの話だな。」とスムーズに頭に入ってきます。
体系的理解ができていない場合の影響
2020年度合格
上智大学法科大学院・既修 2018年修了
体系的理解が出来ておらず頭に霧がかかっている状態だと、どこの話か分からず頭に入ってこないため、
ただ問題と答えを覚えるだけになってしまいます。条文問題を除き
基本的に同じ問題は出てこないので、そのような学習をしていると司法試験本番では正解できません。過去問題集を何度も解いているにも関わらず短答式試験で複数回足きりにかかってしまっている方は、おそらくこれが原因だと思いますので、一旦
短答式試験の過去問を解くのを止めて論文式試験の勉強をすることをおすすめします。
「体系的に理解する」勉強法
1単元ごとに勉強する
2020年度合格
関西学院大学法科大学院・既修 2020年修了
私が効果的だったと思う短答式試験の勉強方法は、
単元ごとに集中的に繰り返して理解するという方法です。なんとなく解いても、何度も同じ問題で間違えることに気づき、
「広く浅くとりあえず1周まわす」ことはしないようにしました。
なぜその答えになるのか、時に
判例や
授業ノートの確認に戻ったりしたことで時間がかかる作業でしたが、この方法は、
時間が経っても少し考えれば解けるようになるための下準備になりました。
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2「過去問題」以外の演習本から修得する
2020年度合格
予備試験合格
予備試験の短答式試験はそれほど高い点数で合格したわけではなく、TKC等で受けた司法試験模試でも合格ラインギリギリの点数であったため、短答式試験の勉強方法を変えてみようと考えました。具体的には、「
伊藤真が選んだ一問一答1000」(法学書院)を何回も解くことで、
過去問では得られない網羅的・体系的な知識を得ようと考えました。
3図・表・絵を使って整理する
2016年度合格
予備試験合格
私は過去問題を一度解き、体系別
に自信のない問題に関する知識を
図・表・絵を使ってノートにまとめ、
一定の期間が経過してから再びノートを見直し、
再度自信のない知識をノートにまとめるといった勉強方法をとりました。すると、3科目分で1回目はノート1冊程度、2回目はノート半分程度になりました。
1回目は忘れるかもしれない知識を幅広く身に着けるために、
2回目は身に付いていない知識を効果的に修得するために有用でした。
「過去問題から」に囚われないこと
2021年度合格
明治大学法科大学院・既修 2020年修了
不合格の原因は人によって異なりますが、
自分が苦手としている勉強に気づくと避けがちになることが多いと思います。敗因分析をされる方は、
自分が苦手としている・避けている勉強は何かという観点から探ってみるのも1つの手段だと思います。
【短答】答えを覚える"繰り返し"は意味がない
「択一六法」を使った足切り回避策