既修者と未修者では、司法試験合格率は異なる
法務省HPの発表によると、令和6年度司法試験の合格率は
42.1%(
合格者数1,592名/受験者数3,779名)、そのうち未修者の合格率は既修者と比較すると低い結果となっています。
【令和6年度司法試験結果(既修・未修)】
|
受験予定者数 |
合格者数 |
合格率 |
既修者 |
2,421人 |
1,103人 |
45.6% |
未修者 |
1,127人 |
168人 |
14.9% |
未修者から見た、既修者の特徴とは
2020年度合格
京都大学法科大学院・未修 2020年修了
私が見た限りでは、既修者はみな大学学部の4年間で
基礎的な知識はほぼ頭にある状態で、法科大学院ではそれをブラッシュアップする作業が主のようでした。そして彼らは
勉強する習慣がついているので、あまり怠けません。そのため、
毎日長時間勉強する人が多く、
効率重視の人もやるべき総量が未修者と比べて少ないのでうまくいくようでした。
既修者との大きな違いは、"知識"だけじゃない
2020年度合格
京都大学法科大学院・未修 2020年修了
我々未修者は、
脳内に知識が入っていない、または
入っていてもすぐに活用できる状態まで定着していない状態です。更に、少なくとも私の周りでは(私も含めて!)既修者と比べて
勉強の習慣づけがゆるい人たちが多いように思いました。
未修者が予備試験受験経験から見えた、
短答対策の理想形とは
2016年度合格
神戸大学法科大学院・未修 2016年修了
私は予備試験を過去2回受験した経験から、短答式試験の大半が
条文知識と
判例の理解を問うものだと分かりました。そこで、
条文の素読と「
判例百選」(有斐閣)の読み込みを中心に勉強し、短答式試験の
「答え」となる内容に繰り返し触れることを意識しました。なぜなら、肢を選択する時に「
見覚えのある内容の肢を選べばそれが正答である」という形が理想だと考えたからです。
司法試験と予備試験の短答式試験科目の違いとは
司法試験の短答式試験科目は、
憲法、民法、刑法の3科目ですが、予備試験の短答式試験科目は、「
法律基本科目」といわれる
憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、そして「一般教養科目」の8科目で行われます。また、各科目の問題数は10~15問程度、試験時間も2科目の場合は1時間、3科目の場合は1時間30分と、それぞれ一括した試験時間が設けられており、時間内に一度に解くことも司法試験と大きく異なります。
予備試験受験者の司法試験の
短答式試験合格率は
令和4年度司法試験の短答式試験合格率は
81.0%(
合格者数2,494名/受験者数3,082名)、例年
約2~3割の受験生が短答式試験で涙を飲んでいます。この合格者のうち、予備試験受験生の合格率は
99.8%(
合格者数404名/受験者数405名:令和4年度)だったことから、予備試験受験生の合格率の高さがうかがえます。
理想形を目指すなら、過去問演習だけで
大丈夫
2017年度合格
予備試験合格
予備試験の短答式試験対策としては過去問のみを行いましたが、
司法試験対策の段階では、「
[短答式]TKC全国実力確認テスト」を受験しました。テストを受験した理由は、過去問は少なくとも5回は解いたことがある問題ばかりなので、それだけを解いていても
きちんとした理解のないまま答えを覚えてしまっている問題もあるのではないか、という不安に駆られたからです。そのため、短答式試験といえども、
自分で選択肢を吟味して解答する場を設ける必要があると思いました。確かに
予備試験合格者の司法試験短答式試験の合格率は高い傾向がありますが、
足元をすくわれないようにとの意識もありました。
定期試験とは違う、本試験により近い
環境が必要です
2016年度合格
神戸大学法科大学院・未修 2016年修了
年に一度の本試験で結果を出すためには、
予備試験や答練、
模試等を利用して、より
本試験に近い環境で訓練を重ねることが重要だと思います。また、学校の定期試験と違って、出題範囲が膨大な司法試験では、広く浅く、
どこが出題されても最低限の内容を語れるように準備すべきです。
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