「まとめノート」とは
過去問題等の問題を解いた後に復習しやすいよう、
間違えた箇所や紛らわしい知識、
答案に必要最低限書かなければならないことをノート等を使ってまとめておきます。これを勉強した後に行っておくと日々の復習はもちろん、
本試験直前期や試験当日の見直し時にも役立つため、「やって良かった」ことの1つにも挙げられています。
「まとめノート」が必要な理由
まとめノートを「やって良かった」ことの1つに挙げられる反面、「時間の無駄」と感じる受験生も少なくありません。 そこで、先輩合格者が感じた「まとめノート」が必要な理由を3つご紹介します。
1記憶に残りやすく、復習しやすい
2023年度合格
東京大学法科大学院・既修 2023年修了
司法試験は極めて広範囲であるため、いくら勉強して理解してもしばらくすると忘れてしまっていました。そこで、長い間その論点を扱っていなくても、
ノートを見れば勉強内容や出題傾向を思い出せるように勉強していました。
2023年度合格
名古屋大学法科大学院・既修 2022年修了
書くことで
単に読むだけより記憶に残りやすいのと、そのノートを見返せば
忘れやすい問題が一目瞭然となり復習が楽というメリットがあります。
2インプットした知識の整理に最適
2023年度合格
法政大学法科大学院・既修 2023年修了
私は自作ノートの作成をかなりしました。今振り返ると、
規範や論証などを自分なりに理解する時間は効果的だったと思います。
3試験会場の教室内では、電子機器の使用禁止
2021年度合格
大阪大学法科大学院・既修 2021年修了
試験当日は、
教室内での電子機器類の使用が禁止されているため、自分の席でリラックスしたいという方は、コンパクトな見直しノートなど、
紙媒体でも用意しておくのが良いと思います。
まとめノートに書き留めておく内容
2021年度合格
慶應義塾大学法科大学院・既修 2021年修了
各自のノートに下記のような内容を書き溜めると良いと思います。
- 新たに知った知識
- 間違えたこと
- 上位答案のうまい言い回し等
「まとめノート」の作り方
1ノートに手書きでまとめる
2022年度合格
早稲田大学法科大学院・既修 2020年修了
日頃の勉強においても、
答案用紙と同様の行数・大きさでノートやメモを書くことをおすすめしたい。私の場合、
書くための体力がつくと同時に、思いがけず読み返しやすいノートが完成し、直前期の復習に大変重宝した。
2wordファイルにまとめる
2023年度合格
東京大学法科大学院・既修 2023年修了
勉強してきたことを
科目ごとに扱った論点の解き方や論述の仕方、
その論点が出題された模試答練や演習書を逐一Wordに記載しながら勉強していました。
「1科目1時間で総復習できるノート」づくり
2021年度合格
神戸大学法科大学院・既修 2021年修了
学部生の頃に予備校のテキストのみで勉強し、大学の授業やゼミに積極的に参加せず法科大学院入試で失敗した後悔から、法科大学院では授業とその予復習に集中し、教授が指定・配布する教科書や資料、判例等は全て教材にしました。最終的に「
試験直前に1科目1時間で総復習ができるノート」を作ることを目指して、
法科大学院の予習・授業・復習の内容1日分をWordでまとめ、
期末試験の時期に1期分をさらにまとめ、
年度の終わりにさらにまとめ、
修了時にさらにまとめる、というように“
圧縮”を繰り返す形で作りました。
3教材に加筆修正してまとめる
2019年度合格
獨協大学法科大学院・既修 2016年修了
まとめノートを
ゼロから作るのでは時間がかかるため、市販されている教材をベースに、加筆修正しましょう。短答では各予備校が出版している
短答用の六法、論文では『
趣旨・規範ハンドブック』(辰已法律研究所)が使いやすいと思います(憲法は『読み解く合格思考憲法』(同)、経済法は『1冊だけで経済法』(同)を使用しました)。
『趣旨・規範ハンドブック』に書き込む内容
2019年度合格
獨協大学法科大学院・既修 2016年修了
『趣旨・規範ハンドブック』については、大半の問題提起や理由付けを書き直し、
そのまま答案で書ける形へとカスタマイズしました。また、
あてはめで使える考慮要素やキーワード、考え方、論じる順等も全て書き込みました。
教材が使いにくいと感じた場合
2021年度合格
明治大学法科大学院・既修 2020年修了
まとめノートの作成にあたっては「
趣旨・規範ハンドブック」シリーズ(辰巳法律研究所)を利用しました。もっとも、このまま使用するのではなく、自分用に加筆修正しカスタマイズして使いました。またこの際、
加筆修正がしやすいようにリングファイルに閉じていました。
4「論文演習セミナー」(TKC)にまとめる
2021年度合格
慶應義塾大学法科大学院・既修 2021年修了
私は書き留める際にTKCの「
論文演習セミナー」にある「
演習ノート」機能が役立ちました。たしかにWordファイルでノートを各自で保管するというのでも、ノートをとるという点では足りますが、TKCの演習ノートであれば、
関連する判例をすぐに調べて貼ることもできます。
「論文演習セミナー」とは
「
法科大学院修了生サポートシステム」で利用できる論文式対策の演習システムで、司法試験の過去問題から
出題趣旨や採点実感、
「司法試験の問題と解説(日本評論社)」に収録されている解説や解答例のPDFも掲載しているので、知識を補いながら答案演習をサポートします。「演習ノート」機能に演習履歴を残しておくことで、復習も効率よく行えます。
「論文演習セミナー」とは 修了生サポートシステムの詳細を見てみる
直前期は、8箇条程度にまとめた「ファイナルペーパー」
2023年度合格
明治大学法科大学院・既修 2019年修了
自分の論文の書き方や誤った思考回路の癖に気づき、
試験直前に自分を落ち着かせるためのファイナルペーパーを作成しました。このファイナルペーパーには、忘れやすい知識や論証を羅列するのではなく、
本試験での答案構成時間、
答案枚数(一行に書ける文字と時間から逆算して検討)を考慮した技術的な側面や癖に対する注意喚起、
自分へのエール等、精神的な部分を
1科目8箇条程度にまとめ、本試験前に見返すことができるようにしました。
まとめ
2023年度合格
東京大学法科大学院・既修 2024年修了(在学中受験)
試験当日に体調的、精神的に最高の者も多くはないでしょう。試験前日は休息を十分に取り、かつ、試験前に落ち着いて知識を見返すことのできるように一元化教材等を作成、活用していきましょう。
関連判例の情報も記録して、
さらなる"基礎知識の定着"に
「
論文演習セミナー」とは、「
TKC法科大学院修了生サポートシステム」の論文式対策の演習システムで、司法試験の過去問題からオリジナルの演習問題が演習できる他、演習後には
「演習ノート」機能に
気付きや反省点を記録できるので、まとめノートとして復習時にも役立ちます
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