"解きまくる"ことが、必ずしも効果的とは限らない
2021年度合格
慶応義塾大学法科大学院・既修 2021年修了
過去問の解き方についてはただ解くだけでなく、出題趣旨や採点実感を読み、
司法試験委員が求める答案というのはどういうものなのか、
自分の答案はそれに答えているのか、ということをしっかり確認し、そして
足りない部分を改善できなければ
何周したとしても無意味だと思います。
司法試験は"相対評価"で合否が決まる
2021年度合格
早稲田大学法科大学院・既修 2021年修了
司法試験の合否は相対評価で決まるため、司法試験が
どのように点数化されるかを把握し、それに対応することが重要であると考えます。
論文式試験では最低ラインはある
論文式試験も短答式試験と同じく
最低ラインがあり、
各科目の満点の25%点と設定されています。この
最低ラインを超えていない科目が1科目でもあると「
不合格」となるため、採点方法の内容も含めて事前に
法務省のホームページにて確認しておきましょう。
【論文式試験の最低ライン】
科目名 |
満点 |
最低ライン |
民事系科目 |
300点 |
75点 |
公法系科目 刑事系科目 |
200点 |
50点 |
選択科目 |
100点 |
25点 |
最低ラインは超えられる TKC主催模試の詳細を見てみる
過去問題を解きまくるより効果的な4つのポイント
- 合格ラインは押さえて、でも完璧は目指さない
- 問題に対する"自分の回答"を書く
- わかりやすい、"読みやすい答案"を意識する
- 相対評価の感覚は模試で身につける
1合格ラインは押さえて、でも完璧は目指さない
2021年度合格
予備試験合格者
司法試験の過去問は、
全年度解く必要は全くないです。
重要度は年度によって大きく異なるので、過去問のランク付けをしているブログ等を参考に、重要そうな年度だけ実際に解きました(
直近の問題は全て解いた方が良いとは思います)。その上で出題趣旨・採点実感・再現答案を参考に、「
どこまで解ければ合格ラインなのか」というのを常に探っていました。司法試験はあくまで相対評価の試験なので、決して
完璧を目指してはいけないと思います。
2問題に対する"自分の回答"を書く
2021年度合格
慶応義塾大学法科大学院・既修 2021年修了
司法試験は問題文中に事実が沢山あるので、
その検討を無視して論証や理論の部分が合っている、正解筋を取っているから大丈夫、と
安心しないでほしいなと思います。司法試験は
与えられたその事例についての検討を要求されているので、今までやってきた短文事例演習等を思い出してただその通りに書くのではなく、その事例特有の検討になっているか、つまり
事実を拾って評価し、
当てはめを充実させる等して、その問題に対する
自分の回答を書くことができるかが大事なのだと思います。
もし正解筋を外していると感じたら
2021年度合格
慶応義塾大学法科大学院・既修 2021年修了
司法試験が相対評価である以上、正解筋を大幅に外すことは避けたいところですが、もし外したとしても、どっちにも転びそうな事実がある以上、
その事実を使って自分なりに説得的に書けていれば問題はないのだと思います。
3わかりやすい、"読みやすい答案"を意識する
2021年度合格
慶応義塾大学法科大学院・既修 2021年修了
わかりやすい答案を書くことを意識するのはとても大事だと思います。
何について検討しているのか、
言及した理論や事実が何条のどの文言に該当するのかを明示すること、また
論点に行きつくまでの流れ等を意識するだけで、随分読みやすい答案になります。
答案の"形式面"でも読みやすさを意識しよう
2021年度合格
慶応義塾大学法科大学院・既修 2021年修了
形式面についても、
挿入する文章は挿入する場所や挿入する文章の前に、それぞれ何頁の何行目に挿入するのか明示的に書くことも大事です。
読みにくい答案は答案の流れが把握しにくいため、できている部分についても
評価されにくくなってしまう可能性があるからです。
4相対評価の感覚は模試で身につける
2021年度合格
予備試験合格
私は3月の「全国統一模試」を受験しましたが、これは必須だと思います。
司法試験は相対評価の感覚を理解することが重要な試験であるため、ここまで大規模な模試で全国の受験生の実力を知れる機会を活用しない手はないからです。
模試が返却されたら自分の感覚とのズレを確認しよう
2021年度合格
予備試験合格
模試の結果を見ると、
思ったより成績が良かった科目・悪かった科目があるはずです。その科目については、
自分の感覚と実際の相対評価がズレているので修正する必要があります。実際の相対評価の感覚を身に着けることで、本番で難しい問題が出ても「どうせ他の受験生もできない」と割り切り、
落ち着いて対応できます。
"評価される答案"を知り、必要な要素を理解して取り入れよう
2021年度合格
東北大学大学法科大学院・既修 2021年修了
私も、過去問の出題趣旨、採点実感、模範答案及び再現答案の読み込みを重視していましたが、その中でも
評価される答案を知ることが最も重要だと感じました。特に私は再現答案を分析する中で、
当てはめの厚さがA評価の答案に共通していると感じ、自分の答案で意識するようにしました。その他にも、
答案全体の構成や論理の流れ、読みやすさ等も重要になりますが、それらは
第三者の指摘によって気付くことも多いかと思います。そのような機会も確保しつつ、
A評価の答案に必要となる要素を理解することを強くお勧めします。
短答でも安定した点数を取るなら、
日々実力確認する習慣づけを
司法試験の合格者の判定は、
短答式試験の合格に必要な成績を得た者について、
短答式試験及び論文式試験の成績を総合して行われるため、まずは
短答式試験の合格ラインを突破しなければなりません。そこで短答式試験でも安定した点数が取れるよう、
昨年TKC模試で出題した問題が無料で解ける「 TKC司法試験模試チャレンジ」 で日々自分の実力を確認する習慣づけをしてみませんか
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