2024/04/18

「在学中受験」で合格を目指すなら
入学後スケジュールから効果的な時間の使い方

在校生 過去問 過ごし方

在学中受験制度とは

 従来は法科大学院課程を修了することが司法試験受験資格要件の1つでしたが、2023年(令和5年)より「法科大学院在学中」でも司法試験に受験できるようになりました。ただし、「法科大学院在学中」に受験する場合は、ある一定の要件をみたす必要があります。
【法科大学院在学中に受験する場合】
  • 所定の科目単位を修得すること
  • 1年以内に法科大学院課程を修了する見込みであること

在学中受験生が感じた、学校と試験対策の両立

 2023年度合格 
早稲田大学法科大学院・既修 2024年修了(在学中受験)

 私は、在学中受験制度の第一期生ということになりますが、法科大学院のカリキュラムと司法試験対策の勉強の両立は、かなり大変なものでした。授業がある期間は、授業後の夕方頃から司法試験対策の勉強をしていました。法科大学院の授業の予習復習や定期試験対策もあるため、特に既修コースの1年目はハードなスケジュールになりやすいかと思います。 勉強の両立が大変な受験生

法科大学院入学時からの大まかなスケジュール

入学した4月から10月まで

 2023年度合格 
名古屋大学法科大学院・既修 2024年修了(在学中受験)

 私は、圧倒的に知識不足を感じていたので、この時期は徹底してインプットに励んでいました。基本的には法科大学院の講義で出る課題を中心に行い、わからない部分があれば基本書に戻って調べるようにしました。

11月から4月まで

 2023年度合格 
名古屋大学法科大学院・既修 2024年修了(在学中受験)

 この時期はインプット期の知識の定着を図るため、旧司法試験の過去問等が掲載された問題集に取り組みました。同時に解説等を見ながら論証の正確性を修正していきました。過去問を解く際は答案構成を15分で行い、問題の所在、規範、規範を導く理由、あてはめのポイント等が誤っていないかをチェックしました。
 また、この時期にはTKCの「短答式過去問題演習トレーニング」を利用して短答式試験対策も行いました。

TKC「短答式過去問演習トレーニング」とは

 司法試験短答式試験の過去問題が演習できる、「法科大学院修了生サポートシステム」のサービスの1つで、科目ごと年度ごとに司法試験本番と同じ形式で出題されるので本番を想定して演習することができます。

短答式過去問題演習トレーニングの問題一覧 短答式過去問題演習トレーニングとは 特長を確認する

法科大学院での授業の受け方

 2023年度合格 
東京大学法科大学院・既修 2024年修了(在学中受験)

 法科大学院での授業のための予習を優先的に行いました。また、司法試験等に直接関係のない科目についても取り組みました。予習はおおよそ当該科目の前日、もしくは当日に行っていました。1科目にかかる時間は科目にもよりますが、2、3時間程度要しました。司法試験等に向けた学修は、予習後に行っていました。 予習している受験生
授業の受け方に関する、おすすめ記事はこちら:
【計画】授業時間も無駄にしない
 「受け方」1つで変わる、授業活用法

両立しながら、"短い時間"で効果を上げるために

目的意識を持つ

 2023年度合格 
法政大学法科大学院・既修 2023年修了

 受験勉強で気を付けた方がよいのは、何も考えず「とりあえず」授業を聞く、「とりあえず」予備校の講義を聞く、「とりあえず」基本書を読むといったように、目的意識がないまま「とりあえず」という姿勢で取り組んでいる場合です。勉強する際に目的意識を持っているかどうかで、身につき方が違うと思います。自覚しにくいかもしれませんが、今取り組んでいる勉強がなぜ必要なのかどういった効果が見込めるかいつまでに終わらせるかという見立てと計画が立っているか、一度確認してみるとよいかと思います。

音声ファイルで暗記する

 2023年度合格 
名古屋大学法科大学院・既修 2024年修了(在学中受験)

 フリーの音声読み上げソフトを使って論証を読み上げさせた音声ファイルを作成し、移動時間等のスキマ時間はひたすらそれを聞いていました。これにより、論証のキーワードを自然と覚えることができるようになりました。また、聞いていて意味が分からなければ、それはまだ理解できていないということになるため、理解の有無のチェックにも役立ちました。 移動中に勉強する受験生

移動中でも勉強できるツールを活用する

 2023年度合格 
名古屋大学法科大学院・既修 2024年修了(在学中受験)

 短答式試験対策として活用したTKCの「短答式過去問演習トレーニング」は、移動時間中にスマートフォンでも問題の解答と解説をスムーズに読むことができました。加えて、解説も充実しています。権威のある学術書や基本書などを引用しているので、どうしても理解できない場合は引用元にあたることで、より理解を深めることができました。

大事なことは、”取捨選択”すること

 2023年度合格 
名古屋大学法科大学院・既修 2024年修了(在学中受験)

 ハードなスケジュールな中、試験対策において大事なことは取捨選択です。私は、既修コース3年次になる前の春休み(2月頃)から過去問を解き始めましたが、もっと早くに手を付けておけばよかったと後悔しています。これを読んでいる受験生の中にも基礎的な知識を問題集などで身に付けてから過去問に取り組むべきと考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし、特に在学中受験をされる方には時間がありません。まずは過去問を解くことを優先し、自分にとって足りないと思う部分を基本書や問題集で補完していくことをおすすめします。
移動中等のスキマ時間も、
"暗記時間"として有効活用を
法科大学院と司法試験対策の両立で勉強時間の確保が難しいと感じたら、昨年TKC模試で出題した短答式問題を無料で解ける「 TKC司法試験模試チャレンジ等のツールを活用して、移動中の隙間時間も鍛えていきませんか
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